展示会一覧
「つなぐ むすぶ ひらく 那覇市制100周年」記念企画展 『那覇の誕生祭~The centennial anniversary~』
1921年(大正10)5月20日、沖縄県で初めて市政が施行され、那覇市と首里市が誕生しました。
那覇市は琉球王国時代、港町として発展し、1879年に沖縄県が設置されてからは、県庁所在地となりました。
首里市は首里城のお膝元、王都として発展した街でした。沖縄戦後、那覇市は首里市、そして隣接する小禄村・真和志村と合併して、現在の那覇市域になりました。
今回の企画展では、市制施行100周年を記念して、王国時代から現代にいたる那覇市の歴史・文化を紹介します。
※今後状況により日程等に変更が生じる場合があります。
王家の衣裳~王子・王女の衣裳/黒漆と螺鈿の漆器
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料とともに、王国時代の美術工芸品をご紹介しています。
5月の美術工芸資料は、尚家資料から『王家の衣裳~王子・王女の衣裳』をご紹介します。
華やかな紅型衣裳は、成人前の王家の子女である、王子や王女が身に着けたものといわれています。成人前の子どもの衣裳といえど、王家しか使用できなかった鮮やかな黄色地や、海外から輸入された高価な材料で染められた紅色地(べにいろじ)に、王権を表す龍や鳳凰(ほうおう)の文様で埋め尽くされた豪華な衣裳は、大人の衣裳と全く変わるところのない、王家ならではの格の高いものです。
また調度品は『黒漆と螺鈿(らでん)の漆器』と題して、尚家資料と伊江家資料から螺鈿の琉球漆器をご紹介します。琉球の近海で採れたヤコウガイをふんだんに利用した螺鈿漆器は、見るものを圧倒するきらめきを放っています。
こうした豪華な螺鈿の漆器は、中国皇帝への献上品としても活用され、海を渡った同型の漆器が北京の故宮博物館に所蔵されています。
文書資料は、最後の琉球国王・尚泰の即位および元服関係の文書と、即位にともなう冊封(さっぽう)関係の文書から、6点をご紹介します。
この中の「火花方日記」は、半年ほど滞在した冊封使への接待行事をまとめた報告書で、首里城の御庭(うなー)で披露された仕掛け花火の絵図が掲載されている貴重な記録です。この絵図をもとに復元した仕掛け花火が、昨年国立劇場おきなわで披露されたのをご記憶の方も多いのではないでしょうか。
王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をどうぞお楽しみください。
※展示期間 (資料によって展示期間が異なりますのでご注意ください)
王家の衣裳~王子・王女の衣裳:2021年4月29日(木)~6月2日(水)
黒漆と螺鈿の漆器:2021年4月29日(木)~6月30日(水)
※今後状況により日程等に変更が生じる場合があります。
2021年度 国宝「玉冠」特別公開
国内に唯一残る琉球国王の「玉冠」を、期間限定で特別公開します。
「玉冠」は、皮弁冠(ひべんかん)やタマンチャーブイとも呼び、琉球国王が即位儀礼である冊封(さっぽう)や重要な国内の儀式の際に着用した冠です。
戦前までは尚家にはこの冠とあわせて2、3個の冠が保存されていたとみられていますが、沖縄戦で所在が不明となり、現存している琉球国王の冠は、当館が保管するこの一点のみとなっています。
「玉冠」は、昨年度は新型コロナウィルス感染防止のため公開が中止になったため、約1年半ぶりの特別公開です。また、次年度は他館へ貸し出す予定があるため展示はありません。次回の当館での公開は令和5年度になります。どうぞお見逃しなく。
※国宝資料はより良い状態で保存していくために公開期間を限らせていただいています。
ロイヤルカラーの黄色地衣裳/美御前御揃~王家の祭祀道具~
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料とともに、王国時代の美術工芸品をご紹介しています。
4月は尚家資料と福地家資料から、『ロイヤルカラーの黄色地衣裳』をご紹介します。
琉球では黄色地は「チールジー」とよばれ、王家のみが使用できる格の高い色として特別な意味を持っていました。
耀くばかりの鮮やかな黄色は、石黄(せきおう)という高価な輸入色材や、鬱金(うこん)、黄檗(きはだ)などの染料で染められました。
また、布地は、上質な苧麻(ちょま)や芭蕉(ばしょう)の他、絹の縮緬(ちりめん)や、中国から輸入された綸子(りんす)などの高級な素材が使用されました。
これらの黄色地の衣裳は、国王の公式行事の衣裳として、特別な時だけに着用されたといわれています。
調度品は、4月16日(金)から27日(火)の期間限定で、「美御前御揃(ヌーメーウスリー)」を展示します。
「美御前御揃」とは、王国時代の首里城の御内原(王の私的な生活空間)の祝宴で用いられた三つ御飾りのお道具の事で、金器や銀器、漆器、ガラス玉で飾られた錫瓶を、3台の足付盆の上に組み合わせて飾ります。
当館では、昭和初期に王国時代の美術について調査を行った鎌倉芳太郎の記録に基づき、7種類17点のお道具類を組みあわせて展示します。きらびやかなお道具類は、在りし日の首里城内での優雅な儀式の様子を想わせます。
美御前御揃(ヌーメーウスリー)は、次年度は他館へ貸し出す予定があるため、次に当館で見られるのは令和5年度になります。どうぞお見逃しなく。
※三線と工工四は、4月16日から縮小して一部展示します。
※今後状況により日程等に変更が生じる場合があります。
【2020年度常設展】王朝文化と都市(まち)の歴史/沖縄の伝統行事「清明」
「王朝文化と都市(まち)の歴史」をテーマに士族の履歴を記録した家譜や、首里王府の行政文書、美術工芸品を通して、中世~現代の首里・那覇の歴史と文化を紹介する常設展。
今回はトピック展示として、沖縄本島内で広く行われている清明(シーミー)について展示をしています。当館が所蔵する家譜資料等を用いて、士族・門中について説明するとともに、清明祭の様子や清明祭が行われるお墓や副葬品などについてご紹介します。
また今回の目玉として、家の歴史を伝える現物の家譜・位牌・厨子甕を一堂に揃え展示しています。
他にも、対外貿易を管轄していた親見世や中国からの使者が滞在した天使館があった東村跡の発掘調査で出土した輸入陶器や高麗瓦などの遺物、琉球貿易図屏風、尚泰・尚典の葬儀についての資料や写真類、浜下りやユッカヌヒーについての展示など盛りだくさんの常設展となっております。
王国時代のこども衣裳/三線と工工四
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料とともに、王国時代の美術工芸品をご紹介しています。
3月は尚家資料と福地家資料から、『王国時代のこども衣裳』をご紹介します。
王国時代の王族や上級士族では、こども達もまた、上流階級ならではの紅型(びんがた)や絣(かすり)の華やかな衣裳を身に付けていました。また、幼児の衣裳には、背中の衿の下に「マブヤーウー(魂糸)」というお守りの飾り糸が付けられました。王国時代のこども衣裳は残っているものが少なく、貴重な資料です。
また、3月4日の「さんしんの日」にちなみ、『三線と工工四』と題して、当館所蔵の三線4点と、尚家資料の工工四、川平家資料『歌道要法』等をご紹介します。
琉球では、海外からの賓客をもてなす場で演じられる歌舞音曲を担当するのは士族男子であったため、士族の教養として三線の習得が奨励されました。近代以降庶民の間にも広く根付き、現在では人々の生活に切っても切り離せないものとなっています。
王国時代の精緻な工芸技術と、貴重な記録類をぜひご覧ください。
三線と工工四 2021年3月5日(金)~4月27日(火)(4月16日(金)以降一部内容を変更します)
※今後状況により日程等に変更が生じる場合があります。
雪の文様の紅型衣裳/朱漆の漆器
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料とともに、王国時代の美術工芸品をご紹介しています。
2月は尚家資料と福地家資料から、『雪の文様の紅型衣裳』をご紹介します。
暖かい沖縄では雪はほとんど降りませんが、琉球王国時代の紅型(びんがた)衣裳の中には雪が描かれているものがあります。南国で染められた雪の文様の紅型衣裳3点をご覧ください。
調度品は1月に引き続き、『朱漆の漆器』と題しあざやかな朱色地に沈金で模様がほどこされた漆器をご紹介しています。これらの漆器は、首里城内でも国王のプライベートな生活空間にあたる御内原(ウーチバラ)の儀式で使用したとされる格式の高いものです。また、神山政良氏から寄贈された、尚泰の娘・八重子の婚礼道具である文箱と櫛箱(くしばこ)も併せて展示しています。
文書資料は『修理が済んだ尚家文書』と題し、修理作業が完了した尚家文書8点を1月から引き続きご紹介しています。長い年月の中で虫喰い等のいたみが進んでしまった文書類は、専門家の手により年間約30~40冊ずつ修理が行われています。その修理の工程と、修理が済んで見違えるほどきれいになった文書類の一部をご紹介します。
王国時代の精緻な工芸技術と、貴重な記録類をぜひご覧ください。
※当初予定していた内容を一部変更しております。
※今後状況により日程等に変更が生じる場合があります。
【2020年度常設展】戦前の沖縄観光とウトゥイムチ(おもてなし)
常設展では、「王朝文化と都市の歴史」をテーマに那覇市にゆかりのある方々より寄贈された染織品や漆器、書画などの美術工芸品や家譜などの史料を通して、近世・近代の首里・那覇の歴史と文化を紹介します。
今回は、「戦前の沖縄観光とウトゥイムチ(おもてなし)」と題して、松竹梅や鶴亀などおめでたい模様を施した華やかな琉球漆器などを紹介しています。
また、戦前の沖縄観光について、観光コースや沖縄土産、観光としての辻遊郭などをご紹介しています。
花模様の紅型衣裳/朱漆の漆器
1月は尚家資料の染織品から、『花模様の紅型衣裳』をご紹介します。新春にふさわしい、牡丹(ぼたん)、桜(さくら)、菖蒲(しょうぶ)、梅(うめ)、菊(きく)など様々な花が描かれた華やかな紅型衣裳3点をご覧ください。
調度品は『朱漆の漆器』と題し、あざやかな朱色地に沈金で模様がほどこされた漆器をご紹介しています。これらの漆器は、首里城内でも国王のプライベートな生活空間にあたる御内原(ウーチバラ)の儀式で使用したとされる格式の高いものです。また、神山政良氏から寄贈された、尚泰の娘・八重子の婚礼道具である文箱と櫛箱も併せて展示しています。
文書資料は『修理が済んだ尚家文書』と題し、修理作業が完了した尚家文書8点をご紹介しています。長い年月の中で虫喰い等のいたみが進んでしまった文書類は、専門家の手により年間約30~40冊ずつ修理が行われています。その修理の工程と、修理が済んで見違えるほどきれいになった文書類の一部をご紹介します。
王国時代の精緻な工芸技術と、貴重な記録類をぜひご覧ください。
※当初予定していた内容を一部変更しております。
※今後状況により日程等に変更が生じる場合があります。
王国時代の冬衣裳/王家の祭祀道具
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料とともに、王国時代の美術工芸品をご紹介しています。
12月は尚家資料の染織品から、『王国時代の冬衣裳』をご紹介します。
気候が温暖な琉球でも、冬になると防寒着を着用しました。木綿(もめん)や絹(きぬ)で作られた防寒着を身につけたのは主に士族層で、庶民にとっては贅沢品でした。また「馬掛子(マークヮー)」「唐(とう)ビーター」等と呼ばれる中国式の絹製の衣裳も利用されていました。
調度品は『王家の祭祀道具』と題し、金銀器と漆器からなる祭祀道具を11月に引き続きご紹介しています。これらの道具類は、首里城内でも国王のプライベートな生活の場にあたる御内原(ウーチバラ)で使用したとされるもので、数々の御道具類を組み合わせたものは「ヌーメーウスリー(美御前御揃)」と呼ばれていました。当館での公開は4年ぶりとなります。
文書資料も先月に引き続き、『尚家文書に見る衣裳記録』と題し、尚家関係資料から衣裳に関する文書6点をご紹介しています。王国時代の衣裳や簪、染色の材料等を記録した貴重な資料で、一部の資料にはカラーの図版が盛り込まれています。
王国時代の精緻な工芸技術と、貴重な記録類をぜひご覧ください。
※当初予定していた内容を一部変更しております。
※今後状況により日程等に変更が生じる場合があります。