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開催中 特別展

桜が描かれた紅型衣裳/三線と工工四

会期:2024-03-01(金) ~ 2024-03-27(水)

特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料をとおして、琉球国王尚家の歴史と王国時代の遺物をご紹介しています。


今月は、尚家資料から「桜が描かれた紅型衣裳」をご紹介します。

今回ご紹介する3点の衣裳には、すべて桜が描かれています。散らし桜、枝垂桜(しだれざくら)など描かれ方は様々ですが、その桜のほとんどが、実際の花の色とは異なる青や黄・赤などの色に彩られています。

桜をはじめとする、紅型で描かれているモチーフは、多くが沖縄に自生しない動植物です。それらは日本や中国から渡ってきた絵画や染物を参考に考案されたといわれています。しかし、モチーフの形だけを取り入れ、本来の色にとらわれない自由で大らかな色使いをしたことによって、紅型の特徴のひとつである、鮮やかで大胆な独特の配色が生まれたと考えられています。


調度品は、3月4日の三線(さん(3)し(4)ん)の日にちなんで、当館所蔵の三線(さんしん)や工工四(くんくんしー)をご紹介します。

琉球では、海外からの賓客をもてなす場で歌舞音曲を演じる役割を士族男子が担っていため、士族の教養として三線の習得が奨励されました。近代以降、庶民の間にも広く根付き、現在では沖縄の人々の生活に切っても切り離せないものとなっています。

三線は琉球から日本へ伝わり三味線(しゃみせん)となりました。胴の部分には元々紙や皮が貼られていましたが、琉球ではニシキヘビの皮が貼られています。


文書資料もさんしんの日にちなみ、尚家に伝わる工工四や平親雲上朝彬の文書などをご紹介します。

川平親雲上朝彬(ちょうひん)は、最後の琉球国王尚泰に仕え、琉球音楽の大家である野村親雲上安趙(あんちょう)に歌・三線を師事しました。

朝彬は尚泰の命により工工四を献上しますが、作成するにあたって離島の民俗音楽も収集したといわれています。

今回展示する川平家資料は、「「歌道要法(かどうようほう)」、「琉歌言葉之仮名綴見合(りゅうかことばのかなつづりみあわせ」、「三線四種之調子音調之次第 外」で、これらはその時の収集資料と思われます。


王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をぜひご覧ください。


 ※『三線と工工四』は4/29(月)まで開催

主な展示品

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紫地桜紅葉蝶流水青海波文様紅型木綿袷衣裳 (むらさきじさくらもみじちょうりゅうすいせいがいはもんようびんがたもめんあわせいしょう)

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白地霞枝垂桜燕文様紅型苧麻衣裳 (しろじかすみしだれざくらつばめもんようびんがたちょまいしょう)

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白地鶴霞菖蒲楓桜文様紅型苧麻衣裳 (しろじつるかすみしょうぶかえでさくらもんようびんがたちょまいしょう)

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工工四 上巻

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工工四 下巻

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工工四拾遺

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向大輝川平朝彬 歌道要法

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向大輝川平朝彬 三線四種之調子音調之次第外

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向大輝川平朝彬 琉歌言葉之假名綴

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緑釉四方燭台 (りょくゆうしほうしょくだい)

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玉冠(付簪) (ぎょくかん(つきかんざし))

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開催中 常設展

【2023年度常設展③】王朝文化と都市(まち)の歴史

会期:2024-03-08(金) ~ 2024-04-29(月)

常設展では「王朝文化と都市(まち)の歴史」をテーマに士族の履歴を記録した家譜や、首里王府の行政文書、美術工芸品を通して、中世~現代の首里・那覇の歴史と文化を紹介します。


今回の常設展示では、首里城正殿から発掘された遺物や、士(サムレー)の一生に関する文書や衣裳、近世から近代にかけての欧米の接近と王府の対応が書かれた尚家文書、近代沖縄の始まりに関する資料や尚寅の墓誌、沖縄戦から戦後の復興に関する資料などを時系列にご紹介しています。

また、紅型の工程と道具、組踊の名優として知られる金武良章と父良仁の舞台衣装や小道具、海洋博に関する資料、県内企業の発展と題してオリオンビール創設者の具志堅宗精氏の資料など、さまざまな資料をご紹介しています。