展示会詳細
琉球国王の衣裳/朱漆と沈金の漆器
会期:2023-11-03(金) ~ 2023-11-29(水)
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料をとおして、琉球国王尚家の歴史と王国時代の遺物をご紹介しています。
今月は、尚家資料から「琉球国王の衣裳」をご紹介します。
尚家伝来の王装束は、王冠や唐衣裳など8点あります。
琉球国王の最高礼服で国内の重要な行事や中国との儀式の際に着装し、唐装束とも呼ばれています。
琉球は中国の臣下の国家として、国王の即位は、皇帝から王冠や唐衣裳などを下賜される冊封儀式で執り行われました。
三山時代武寧(1404)の冊封から第二尚氏の尚泰(1866)までの462年間に21回の冊封が行われました。
唐装束は、冊封体制を象徴する装束です。
伝来の品は、現存する唯一の琉球国王の装束として重要な歴史資料です。
調度品は「朱漆と沈金の漆器」をご紹介します。
琉球王国時代、漆器は中国や日本へ琉球の威信を示す献上品であり、王国の経済基盤を支える重要な工芸品でした。
王府は貝摺奉行所(かいずりぶぎょうしょ)を設置して生産管理を行い、その高度な品質を維持しました。
琉球での漆器製作は15世紀頃から始まり、16~17世紀に螺鈿(らでん)・箔絵(はくえ)・沈金(ちんきん)など様々な技法が発達しました。
17世紀の薩摩侵攻以後は日本の武家社会の「唐風好み」にあわせた中国的な意匠の黒漆(くろうるし)螺鈿の漆器が盛んに作られました。
漆器の中でも朱漆に沈金で緻密な模様を隙間なく埋め尽くしたものは、王家や上級士族だけが用いた格式の高いものとされています。
文書資料も琉球国王の衣裳に関する資料をご紹介します。
王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をぜひご覧ください。
※「朱漆と沈金の漆器」は12月26日(火)まで