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【特別展】空色地の紅型衣裳/琉球漆器の様々な技法

開催中 特別展

【特別展】空色地の紅型衣裳/琉球漆器の様々な技法

会期:2024-07-05(金) ~ 2024-07-31(水)

特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料をとおして、琉球国王尚家の歴史と王国時代の遺物をご紹介しています。


今月は尚家資料より「空色地の紅型衣裳」をご紹介します。

王国時代の紅型衣裳は、白地、黄色地、紅色地など様々な地色がありますが、涼やかな水色地(空色地)の衣裳も数多く残されています。

青色の原料となる藍(あい)は、染める回数によってごく薄い水色から濃紺まで、様々な青色を染めることが出来ます。

藍染めには、本土では蓼藍(たであい)が多く使われますが、琉球では琉球藍、蓼藍、インド藍など複数の藍が使われました。中でも亜熱帯気候の中で栽培しやすい琉球藍が最も多く利用されました。琉球ではこの藍で、浅地(あさじ)(水色地)や紺地(こんじ)の衣裳が作られました。


調度品は「琉球漆器の様々な技法」をご紹介します。

琉球王国時代、漆器は中国や日本へ琉球の威信を示す献上品であり、王国の経済基盤を支える重要な工芸品でした。

王府は貝摺奉行所(かいずりぶぎょうしょ)を設置して生産管理を行い、その高度な品質を維持しました。

琉球での漆器製作は15世紀頃から始まり、当初中国の影響を強く受けて螺鈿(らでん)・箔絵(はくえ)・沈金(ちんきん)技法が発達し、朱漆(しゅうるし)に精緻な模様を隙間なく埋め尽くした器物が作られました。

17世紀初頭の薩摩侵攻以後は、日本の武家社会の「唐風(とうふう)好み」にあわせた中国的な意匠の黒漆螺鈿が盛んに作られました。また高温多湿の気候を生かして独自の堆錦(ついきん)技法が発達しました。


文書資料は、諭祭に関する資料をご紹介します。

諭祭とは、中国皇帝が使節を遣わして琉球王の先王の霊を祀る儀式です。

首里城において新たな国王を任じる冊封の儀式前に行われるのが通例で、新たな国王(諭祭のときには世子という立場)も参加して、歴代国王の廟所である崇元寺で催されました。


王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をぜひご覧ください。

主な展示品

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空色地雲鶴松竹梅霞文様紅型紬衣裳 (そらいろじうんかくしょうちくばいかすみもんようびんがたつむぎいしょう)

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空色地流水蛇籠鶴菖蒲文様紅型苧麻衣裳 (そらいろじりゅうすいじゃかごつるしょうぶもんようびんがたちょまいしょう)

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空色地菊松海辺霞文様紅型苧麻衣裳 (そらいろじきくまつうみべかすみもんようびんがたちょまいしょう)

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黒漆葡萄螺鈿箱 (くろうるしぶどうらでんばこ)

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黒漆宝尽堆錦軸盆 (くろうるしたからづくしついきんじくぼん)

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玉冠(付簪) (ぎょくかん(つきかんざし))

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