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【特別展】牡丹文様の衣裳/美御前御揃(ヌーメーウスリー)~王家の御道具~

開催終了 特別展

【特別展】牡丹文様の衣裳/美御前御揃(ヌーメーウスリー)~王家の御道具~

会期:2024-05-31(金) ~ 2024-07-01(月)

特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料をとおして、琉球国王尚家の歴史と王国時代の遺物をご紹介しています。


今月は尚家資料より「牡丹文様の衣裳」をご紹介します。
牡丹は、中国で古来より「百花(ひゃっか)の王」とされ、宮廷の庭に植えられ王侯貴族の花として尊ばれてきました。
日本には奈良時代に伝わり、初夏の庭を華やかに彩る高貴な花として愛でられ、和歌や俳句にも取り上げられてきました。

尚家伝来の衣裳にも、紅型や刺繍で牡丹を描いた衣裳が数着あります。そのどれもが、衣裳全体に大輪の牡丹を大胆にあしらった、王家の人々がまとうのにふさわしい華やかなものとなっています。


調度品は、先月に引き続き「美御前御揃(ヌーメーウスリー)~王家の御道具~」をご紹介します。

美御前御揃(ヌーメーウスリー)とは、琉球国王と王族が、首里城のプライベートな生活の場にあたる御内原(ウーチバラ)で正月や祝日などの祝宴に用いたとされる、琉球の特徴的な道具揃の事です。
中央に金・銀器、右に御籠飯(ウクファン)、左に御玉貫(ウタマシチ)を配し、それぞれを高い脚付盆に据えます。中央の金杯は国王だけが使用しました。
当館では、記録に基づき尚家伝来の器物を組み合わせて往時の「美御前御揃」を復元しています。
これらの器物は、意匠や技法が微妙に異なることから、同時期に製作されたものではないと見られ、補充などを経て現在の形になったと考えられます。


文書資料も先月に引き続き、「僉議」をご紹介します。

琉球王国の最高政務機関である評定所において各種に案件を協議し採決することを僉議といいます。
協議内容は、所領拝領、相続問題から壮麗や生霊の問題など多方面に及んでいます。首里王府の意思決定過程を分析するうえで貴重な史料です。
尚家文書の中には、僉議を記録した史料が22件確認されています。

さらに「国宝の修理事業」と題して国宝指定の「琉球国王尚家関係資料」の修理事業についてご紹介します。
尚家資料のなかには損傷が激しく、今後の保存管理や公開に支障をきたす資料も存在します。これらの資料については、文化庁や財団の補助を受けて継続的に修理事業が実施されています。
国宝修理は高度な技術と資料を安全に保管する施設が必須となるため、「琉球国王尚家関係資料」は最新の資料管理施設を備える九州国立博物館内で修理されています。
修理済みの資料は展示公開するたけでなく、複製などを作りより多くの方々が資料を利用できるように努めています。


王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をぜひご覧ください。

主な展示品

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白地牡丹尾長鳥燕鶴菖蒲文様紅型平絹衣裳 (しろじぼたんおながどりつばめつるしょうぶもんようびんがたひらぎぬいしょう)

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黄色地牡丹尾長鳥霞文様紅型縮緬袷衣裳 (きいろじぼたんおながどりかすみもんようびんがたちりめんあわせいしょう)

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白地竹蝙蝠牡丹文様型染刺繍縮緬衣裳 (しろじたけこうもりぼたんもんようかたぞめししゅうちりめんいしょう)

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金杯 (きんぱい)

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銀杯洗 (ぎんはいあらい)

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托付銀鋺 (たくつきぎんわん)

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銀脚杯 (ぎんきゃくはい)

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御玉貫 (ウタマヌチ)

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朱漆巴紋牡丹七宝繋沈金御籠飯 (しゅうるしともえもんぼたんしっぽうつなぎちんきんウクファン)

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朱漆巴紋牡丹七宝繋沈金足付盆 (しゅうるしともえもんぼたんしっぽうつなぎちんきんあしつきぼん)

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