展示会詳細
鳥の文様の紅型衣裳/琉球漆器の様々な技法~沈金、箔絵、堆錦、螺鈿~
会期:2022-10-28(金) ~ 2022-11-23(水)
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料をとおして、琉球国王尚家の歴史と王国時代の遺物をご紹介しています。
11月の美術工芸資料は、染織資料から『鳥の文様の紅型衣裳』をご紹介します。
紅型の文様に登場する鳥には、鳳凰、尾長鳥、鶴、燕などがあり、今回展示している衣裳には、鶴と尾長鳥が描かれています。
いずれも縁起の良い吉祥文として知られている鳥で、色とりどりの鳥たちが衣裳の中を生き生きと飛び交う様子が描かれています。
調度品は、『琉球漆器の様々な技法~沈金、箔絵、堆錦、螺鈿~』をご紹介します。琉球王国時代、漆器は中国や日本への威信を示す献上品であり、王国の経済基盤を支える重要な工芸品でした。王府は貝摺奉行所を設置して生産管理を行い、その高度な品質を維持しました。
琉球での漆器製作は15世紀頃から始まり、当初中国の影響を強く受けて螺鈿・箔絵・沈金技法が発達し、朱漆に精緻な模様を隙間なく埋め尽くした器物が作られました。
文書資料は『伊江御殿家資料』をご紹介します。
伊江御殿家は摂政や行政機関の長など、高官を歴任しました。その伊江御殿家に代々受け継がれてきた伝世品は当時の上流身分の生活の一端を垣間見ることが出来る貴重な資料群であり、2002年には沖縄県有形文化財に指定されました。その後2019年には県指定を受けた一部が国の重要文化財を受けました。
文書・記録類は家譜、職歴関係録や生子証文(出生届)、言上写等がありますが、今回提示している首里之詔は、重要な役職や地頭地(所領)を与える最も格の高い文書です。
その他、伊江朝直(尚健)に関係する資料をご紹介します。
王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をどうぞご覧ください。