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佐藤惣之助詩碑(サトウソウノスケシヒ)

佐藤惣之助詩碑(サトウソウノスケシヒ)

 川崎市出身の詩人、佐藤惣之助の詩碑。
 佐藤惣之助は、1890年(明治23)生まれ。12才の頃から俳句を学び、詩作を志した。1922年(大正11)5月から7月にかけ、沖縄及び台湾旅行を行い、『琉球諸島風物詩集』(1922年12月刊)を上梓した。詩集には、琉球諸島で接した風物を、琉歌の調子と琉球の言葉を取り入れて詠んだ詩85篇の他、紀行文が収められた。
 惣之助は新人教育にも力を入れ、津嘉山一穂(つかやまいっすい)、伊波南哲(いばなんてつ)など多くの沖縄出身の詩人を送り出した。1942年(昭和17年)5月15日死去、享年53(満51歳)。
 1959年(昭和34)、惣之助の出身地である川崎市から、那覇市との友好と文化的交流親善を深めるため、惣之助の詩碑が贈られ、首里城跡に置かれた琉球大学構内に設置された。惣之助の十七回忌にあたる5月15日に盛大に除幕式が行われた。
 碑は、同じ川崎市出身の陶芸家濱田庄司(はまだしょうじ)が、沖縄独特の赤瓦を織り込んだヒンプン(衝立(ついたて))型を作製し、詩集の「宵夏(よいなつ)」の一節「しづかさよ 空しさよ この首里の都の宵のいろを 誰に見せやう 眺めさせやう」が書かれた陶板をはめ込んだものとなっている。
 復帰20周年を記念した首里城復元により、首里城内に建てられた明治以降の遺物は、全面撤去の方針が示されたため、詩碑を管理する那覇市は、1992年(平成4)3月、首里・那覇が眺められる虎瀬(とらせ)公園(首里赤平町(あかひらちょう))に、詩碑を移設した。2021(令和3)年、惣之助詩碑は首里城公園入口に再移設された。

所在 那覇市首里金城町1-2付近
分類 詩歌碑
場所 旧首里
備考 モノレール首里駅から徒歩約15分。首里城前バス停から徒歩1分以内。首里城公園内。