那覇市内史跡・旧跡詳細
曝書山房跡(バクショサンボウアト)
沖縄学の父とされる伊波普猷(いはふゆう)の別荘跡。城岳(じょうがく)の西の麓(ふもと)にあり、かつては、濃い樹影に囲まれた静閑(せいかん)な別天地であった。
城岳を背にし、地域のウブガー(産井)を含む約2,500坪の伊波家の畑地は、幼少の頃、昆虫や草花の採取に興じた所、と後に記している。
沖縄県立沖縄図書館長時代の1914年(大正3)に持病の療養のため、地内に12坪ほどの瓦葺きを建て、晴耕雨読(せいこううどく)の日々を過ごした。屋内には、尚泰(しょうたい)王の第四子尚順松山(しょうじゅんまつやま)王子の筆による「曝書山房(ばくしょさんぼう)」の額字が掲げられていた。
この別荘は、比嘉春潮(ひがしゅんちょう)らも参加して沖縄研究の会が開かれたほか、組合協会(キリスト教)運動の拠点ともなっていた。
しかし、この地も大正末期に伊波が上京した後には、人手に渡ったという。
所在 | 那覇市楚辺1-2-30 |
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分類 | 人物 |
場所 | 旧真和志 |
備考 | 1997年(平成9)8月設置。平成9年度旧跡標示事業。県道222号線「那覇高校」交差点より南西へ徒歩約3分。 |