那覇市内史跡・旧跡詳細
先原崎灯台跡(サチバルザチトウダイアト)
中城湾津堅(なかぐすくつけん)島の灯台とともに、沖縄で最初に建てられた灯台跡。
1896年(明治29)に陸軍省臨時台湾燈標建設部により、島尻郡小禄間切安次嶺村(しまじりぐんおろくまぎりあしみねむら)の地先、崎原(サチバル)の突端岩礁(通称崎原グスク)の上に、高さ12mでレンガ造りの灯台及び官舎・倉庫が建設された(1月10日起工、9月15日竣工(しゅんこう))。同年11月25日に初点灯が行われ、以後、赤光・緑光二色の灯光で付近の干瀬の場所を示し、那覇港に出入りする船舶の航行安全を図った。灯台には逓信省(ていしんしょう)の職員2人が置かれ、昼夜交代で勤務した。1900年(明治33)4月には那覇港入口三重城(ミーグスク)にも、無人の灯台が設置され、先原崎灯台職員が定期的に見回って点検を行った。
1945年(昭和20)の沖縄戦で灯台は破壊され、跡地は米軍により航路標識塔が建てられた。現在、付近一帯は那覇航空交通管制部の敷地となっているが、岩礁の上には煉瓦(れんが)の礎石(そせき)や米軍の標識塔が残されている。
なお、この地は、1816年琉球に来航したバジル・ホール一行が、海に突き出た岩礁の岩肌を修道院の壁に見立て「アビィ・ポイント」(修道院岬)と名付けた場所で、1853年来航のペリー提督一行の記録にも「岬は樹葉で覆われ、その先端の苔生(こけむ)した岩肌の岩石は、岬の名を示唆している」と記述されている。
所在 | 那覇市鏡水334 |
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分類 | 地名・名勝 |
場所 | 旧小禄 |
備考 | 2003年(平成15)9月設置。平成14年度旧跡標示事業。モノレール那覇空港駅より北へ徒歩約13分。 |