那覇市内史跡・旧跡詳細
小禄ノロ殿内(ウルクヌンドゥンチ)
琉球王国時代、首里王府より任命された小禄間切(おろくまぎり)小禄村(むら)のノロの屋敷跡。
ノロは正式には「のろくもい」と記されるが、通常「ノロ」または「ヌル」・「ヌール」と呼ばれ、管轄する1 ~ 3の村落のウマチー(稲や麦の祭)など農耕儀礼をはじめとする村落祭祀の中心的役割を担った。
15 ~ 16世紀にかけて「聞得大君(きこえおおきみ)」を頂点とする神女組織が整備されると、沖縄本島をはじめ奄美大島から八重山諸島にいたるまで、村落ごとに王府からノロ(宮古(みやこ)・八重山(やえやま)ではツカサと呼ぶ)が任命された。小禄間切には小禄・儀間(ぎま)・赤嶺(あかみね)・大嶺(おおみね)・具志(ぐし)の各村(むら)にノロが置かれ、管轄する村や隣接する村落の祭祀に関わった。
照屋(てるや)家は屋号(やごう)を「ノロ殿内(ヌンドゥンチ)」といい、王国時代、小禄ノロは代々照屋家の女性から任命された。1879年(明治12)の沖縄県設置により、王府の任命によるノロ制度は崩壊したが、小禄ノロ殿内のようにノロが現在でも引き継がれ、村落の祭祀に携わっている地域もある。
なお、照屋家は、屋敷横の石畳道や石垣など戦前のたたずまいを残しており、往時の様子を今に伝えている。また、母屋(おもや)の前の建物は「前の殿内(メーヌトゥンチ)」といい、「ノロ火の神(ノロヒヌカン)」を祀っている。
所在 | 那覇市小禄161 |
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分類 | 民俗 |
場所 | 旧小禄 |
備考 | 2003年(平成15)4月設置。平成14年度旧跡標示事業。県道62号線「第二小禄」バス停より北東へ徒歩約1分。。 |