那覇市内史跡・旧跡詳細
安里橋跡(アサトバシアト)
安里川(あさとがわ)に架けられた橋跡。崇元寺(そうげんじ)が近くにあるため、崇元寺橋ともいう。
当初の架橋年は不明だが、安里の対岸に浮かぶ「浮島(うきしま)」だった那覇(なは)と安里(崇元寺前)を結ぶ「長虹堤(ちょうこうてい)」の起点となっていることから、1451年の長虹堤築造当時に架けられたと考えられる。
もとより石橋であったが、1670年に水害で破損し木橋に架け替えられた。しかし、1677年に再び損壊したため、橋脚を高くし、新たに欄干(らんかん)を取り付けるなど、橋の偉容を誇ったという(「安里橋之碑文(あさとばしのひぶん)」)。橋は三連アーチの石造橋で、長さは約72mであった。
崇元寺において中国からの使者「冊封使(さっぽうし)」が、先代国王を弔(とむら)う儀式である「諭祭(ゆさい)」を行う際には、国王が橋のたもとまで出向いて、冊封使を迎えたという。
1945年(昭和20)の沖縄戦の際、米軍の進攻を遅らせるため日本軍により爆破された。戦後になって再建されたが、元あった場所より50m程上流に架け替えられた。
2004年(平成16)に架け替えられた橋(崇元寺橋)の欄干は、戦前の安里橋の欄干がモチーフになっている。
所在 | 那覇市牧志2-24地先 |
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分類 | 民俗 |
場所 | 旧那覇 |
備考 | モノレール牧志駅より北西へ徒歩約6分。崇元寺橋近く |