那覇市内史跡・旧跡案内

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虎瀬山(トゥラジヤマ)

 首里城の北北東に位置する、首里赤平(しゅりあかひら)町の北沿いに延びる標高約130mの琉球石灰岩の丘陵。頂上の岩石が虎の頭に見えたことから、虎頭山、虎山(トゥラヤマ)とも表記され、遠くに海を見渡せる景勝の地として知られる。
 琉球王国時代、松の生い茂る虎瀬山には「虎瀬御殿(トゥラジヌヌウドゥン)」と呼ばれる小規模な別邸(創建年不明)が造られ、王家の遊覧地となっていた。虎瀬山の景観は「首里八景(しゅりはっけい)」の一つ、「虎山松涛(こざんしょうとう)」と謳うたわれ、「松」・「月」を歌題に虎瀬山を謳った詩歌が多く残された。
 1879年(明治12)の沖縄県設置後、「虎瀬ヌ御殿」は廃され、1945年(昭和20)の沖縄戦で虎瀬山の松林も焼失した。戦後丘陵の東側及び周縁部は削られて宅地化されたが、1982年(昭和57)に頂上一帯が整備され「虎瀬公園(とらせこうえん)」となった。
 園内に建てられている歌人佐藤惣之助(さとうそうのすけ)の詩碑は、1959年(昭和34)に琉球大学敷地内(現首里城公園)に設置されたが、首里城復元にともない1992年(平成4)にこの地に移設された。2021(令和3)年、惣之助の詩碑は首里城公園入口に再移設された。

所在 那覇市首里赤平町2-67
分類 地名・名勝
場所 旧首里
備考 2004年(平成16)3月設置。平成15年度世界遺産周辺整備事業。モノレール儀保駅より徒歩約8分。虎瀬公園内。