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沖縄地方気象台跡(オキナワチホウキショウダイアト)

沖縄地方気象台跡(オキナワチホウキショウダイアト)

 1927年(昭和2)に建てられた気象台跡。
 沖縄の気象観測は、1890年(明治23)に那覇(なは)の松尾(まつお)山(現那覇市松山(まつやま)公園付近)に、沖縄県立那覇二等測候所(そっこうじょ)が設置されたことに始まる。同年7月1日より1日6回の観測が実施されたが、当初、那覇の人々は測候所の看板を見て、「那覇(人)を測る所」と思い、皆驚き逃げ帰ったという。
 1900年(明治33)に那覇一等測候所に昇格し、1日24回の定時観測を行った。1917年(大正6)には県立那覇測候所と改称した。1924年(大正13)5月に失火により全焼したため、東京の中央気象台は測候所の国営化を要望し、同年に国立中央気象台付属沖縄測候所として再出発した。敷地は小禄村字鏡水名座原(おろくそんあざカガンジナーザバル)(通称ガジャンビラ高台)に約2,500坪の土地を買い上げ、1927年(昭和2)4月に庁舎及び無線塔2基の施設が完成した。無線塔の鉄塔は高さ約90mで、沖縄一の偉容を誇った。1932年(昭和7)に中央気象台沖縄支台、1939年(昭和14)には福岡管区沖縄地方気象台と改称された。
 1945(昭和20)年の沖縄戦で施設は全壊した。跡地は米軍基地となり、現在陸上自衛隊駐屯地となっている。また、戦後の気象観測は、1950年(昭和25)に米国軍政府のもとに琉球気象局が設置され、日本復帰後は沖縄気象台として、天久前原(あめくメーバル)(現那覇市天久)で観測を行ってきた。1987年(昭和62)に那覇市樋川(ひがわ)の那覇第一合同庁舎に移り、現在に至っている。

所在 那覇市字鏡水
分類 歴史
場所 旧小禄
備考 2003年(平成15)10月設置。平成14年度旧跡標示事業。国道331号線「鏡水」交差点近く。