那覇市内史跡・旧跡詳細
円山号跡(マルヤマゴウアト)
沖縄一のメインストリート「大門前(ウフジョーメー)通り」に面して建てられた百貨店跡。
店主は兵庫県出身の尾花仲次(おばなちゅうじ)氏。尾花氏は1879年(明治12)生まれ。1912年(大正元)8月に来沖し、露天(ろてん)商人から始め、後に化粧品を中心とした雑貨卸問屋(おろしどんや)「円山号」を大門前通りに開店した。
尾花氏は商才に長けていたといわれ、さらに営業努力もあって、1935年(昭和10)10月、通りに面して、約150坪の敷地に鉄筋コンクリート造り3階建て(一部4階)の円山号百貨店を新築開店した。それまでの店は「円山号分店」として営業された。
百貨店としては山形屋(やまがたや)(1930年開業)に次ぐ出店で、屋上からの展望と、おしゃれで真新しい百貨店に、那覇(なは)市民の人気が集まったが、1944年(昭和19)10月10日の10・10空襲で半壊した。
1949年(昭和24年)、アメリカ軍政府・沖縄民政府が、知念村(ちねんそん)から那覇へ移転してきたのを機に補修され、1950年(昭和25)5月に琉球軍政官府、さらに1952年(昭和27)に立法院が置かれるなど行政庁舎ビルとして使用された。
1953年(昭和28)から始められた一帯の区画整理後も建物は使用されたが、1966年(昭和41)9月に取り壊され、駐車場敷地となり、その後、ホテルが建てられた。
所在 | 那覇市東町6-20 |
---|---|
分類 | 歴史 |
場所 | 旧那覇 |
備考 | 国道58号線「泉崎」交差点より徒歩約2分。琉球サンロイヤルホテル㈱前。 |