特別展示室 8月の展示が始まりました
特別展示室では、毎月「国宝 琉球国王尚家関係資料」の美術工芸資料および文書資料をとおして、琉球国王尚家の歴史と王国時代の遺物をご紹介しています。
今月は尚家資料より「流水文様の紅型衣裳」をご紹介します。
紅型は型紙を使用して染める染色技法のため、文様は一定のパターンを等間隔で繰り返して展開されます。また、型紙は表裏両面が使用できるため、文様を裏返して染めることもできます。
今回展示している衣裳は、文様が繰り返すという特徴を生かし、流水文様が左右対称になるように染めたのち、模様がつながるように縫製し、背中一面に水が流れているかのような動きを生み出しています。
調度品は先月に引き続き「琉球漆器の様々な技法」をご紹介します。
琉球での漆器製作は15世紀頃から始まり、当初中国の影響を強く受けて螺鈿(らでん)・箔絵(はくえ)・沈金(ちんきん)技法が発達し、朱漆(しゅうるし)に精緻な模様を隙間なく埋め尽くした器物が作られました。また高温多湿の気候を生かして独自の堆錦(ついきん)技法が発達しました。
文書資料も先月に引き続き、諭祭に関する資料をご紹介します。
諭祭とは、中国皇帝が使節を遣わして琉球王の先王の霊を祀る儀式です。
王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をぜひご覧ください。
詳しくはこちら→「流水文様の紅型衣裳/琉球漆器の様々な技法」