展示会詳細
琉球国王の衣裳/王国の漆工芸技術~伊江家・神山家の漆器~
会期:2017-04-28(金) ~ 2017-05-24(水)
今月は尚家資料から、国王の衣裳を紹介します。
琉球国王の衣裳は、中国明朝の皇帝から琉球国の王の証しとして贈られたものです。琉球国の世子(せし)(皇太子)は、中国皇帝の使者「冊封使(さっぽうし)」から冊封(さっぽう)(中国皇帝が世子を琉球国王と承認する儀式)を受ける際に、中国皇帝からの勅書(ちょくしょ)や玉冠とともに衣裳を授けられました。
これらの唐衣裳(とういしょう)・皮弁服(ひべんふく)などと称される衣裳は、冊封使の迎えや、正月・冬至の儀式など、王国の重要な行事の際に着用されました。
中国の王朝が明朝(みんちょう)から満州族の清朝(しんちょう)になると玉冠の下賜は無くなり、衣裳は反物の形で下賜されるようになりました。琉球では明朝の服制をふまえて衣裳を仕立てて着用し、玉冠は修理しながら使用しました。
調度品は、伊江家・神山家の漆器を紹介いたします。
伊江(いえ)家は第四代尚清(しょうせい)王の第七子尚宗賢(しょうそうけん)(朝義(ちょうぎ))を祖とする由緒ある家柄で、代々伊江島の惣地頭(そうじどう)を勤めたことから、伊江按司(いえあじ)を称していました。伊江家が所蔵していた調度品には、王国時代に高い漆工芸技術を駆使して作られ、献上品として国外へ贈答されたものと同型の精緻な漆器がみられます。
神山(かみやま)家資料は、琉球国最後の国王尚泰(しょうたい)の娘・八重子(やえこ)が首里士族の神山家に嫁いだ際に婚礼道具として持参したものです。鮮やかな朱塗りに、尚家の家紋の左御紋(ヒジャイグムン)(左三ツ巴紋)が牡丹唐草と共に沈金(ちんきん)で描かれ、王家の子女の持ち物らしい華やかなものとなっています。
王国の精緻な漆工芸をお楽しみください。
※琉球国王の衣裳は開催期間中で展示替え行います。
4月28日(金)~5月10日(水)「赤地龍瑞雲嶮山文様繻珍唐衣裳」
5月12日(金)~5月24日(水)「紺地龍丸文様緞子唐衣裳」