展示会詳細
開催終了
特別展
王子の衣裳 / 王国の漆工芸技術~沈金・堆錦~
会期:2015-01-07(水) ~ 2015-02-04(水)
尚家の衣裳の中から、王子(王家の男子)が着たといわれる衣装をご紹介します。
琉球王国時代、元服前の王族・上級士族の男子は「若衆(わかしゅう)」と呼ばれ、髪も着物も女性のように美しく装うのが慣わしでした。
若衆の装束は「若衆装束(ワカシュスガイ)」と言い、振袖(ふりそで)に仕立てた紅型(びんがた)や絣(かすり)などの華やかな着物に、金襴(きんらん)や綸子(りんず)の細帯を前結びにして着用しました。髪は女性のような大きな髷(まげ)に結い、女物の簪(かんざし)を挿しました。
今回ご紹介している衣裳は、尚家で保管されていた若衆の衣裳です。いずれも振袖に仕立てられ、苧麻(ちょま)や芭蕉(ばしょう)等の厳選された素材で作られていることから、王家の男子が、成人前に着用したものと考えられています。
また、調度品は伊江家資料「首里那覇鳥瞰図屏風」をご覧いただきます。王国時代の首里から那覇の風景を描いた鳥瞰図で、沖縄県指定有形文化財とされています。
漆芸品では、沈金、堆錦の技術を使用した漆器をご紹介します。王国時代の精緻な漆工芸をお楽しみください。