展示会詳細
開催終了
特別展
絣と縞の夏衣裳/王国の漆工芸技術~螺鈿・箔絵・沈金~
会期:2014-07-05(土) ~ 2014-07-30(水)
今月は、尚家の染織資料の中から、涼しげな芭蕉で織られた、縞と絣の夏衣裳をご紹介します。
絣は、糸を部分的に染め、織り上げることで文様を表す技法で、経糸だけを染めた「経絣(たてがすり)」、緯糸だけを染めた「緯絣(よこがすり)」、経糸と緯糸を染めた「経緯絣(たてよこがすり)」があります。
沖縄では絣のことを「フシ」、「トゥッチリ(取切)」などと呼び、経緯絣の織物は「ムルドゥッチリ(諸取切)」と呼ばれます。また、経縞は「アヤ(綾)」と呼ばれ、経縞の間に絣文様を組み合わせた織物は「アヤヌナーカー(綾の中)」と呼ばれます。
尚家の絣と縞の衣裳はいずれも、王家を象徴する鮮やかな黄色地に、細かい色あわせの経縞を走らせ、その間に大柄の絣を大胆に配しています。こうした大柄の絣は高貴な身分の者だけに許されたデザインでした。
また、調度品としては尚家資料の中から螺鈿(らでん)で彩られた料紙箱と硯箱をご紹介しています。黒漆に貝の文様を全面にちりばめた、どこか遊び心を感じさせるモダンなデザインの漆器をご覧ください。
その他にも、箔絵(はくえ)や沈金(ちんきん)の技法を使った王国時代の漆芸品をご紹介しています。どうぞ足をお運びください。